・・・されど役者的妹尾blog

役者道を邁進している人たちの稽古場風景。 最後に笑うのは自分だ,系。 だ-か-ら、やることやって言ってますとも!   since.2006.4.14
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富士様 2合目


<富士様1合目からの続き>






が。

とうとう右足がまったく動かなくなり。

手で持ち上げないと膝が上がりません。


<これは俺の足じゃない。だから全然痛い訳がない>攻撃をやりすぎました。

本当に何も感じなくなってきました。

体重をかけると激痛。




マジで。

すんごく頭に来て。

ズボンを引き上げて、膝をステッキで思い切りど突きました。

そしたらびっくりするほど痛くて。

おお、こっちの痛みを感じて関節の痛みを忘れるかも! そうしたら痛いに変わりはないけど歩けるじゃん!って。






・・・

酸素が薄いのね。

あほな考えでした。

関係ない痛みが増えただけ。


丁度この頃、「ゲキ塾。」のメグから連絡がありました。

富士様はドコモはつながります。




「妹尾さん、大丈夫ですか? 何かあったら言って下さいね! あ・・言われても何も出来ないけど。」


いらいらいら・・

先日、メグに


「お前は上げ膳、据え膳でいいなぁ!」


って皮肉を言ったら、ニコニコしながら


「妹尾さん、上げデン、スゥエーデンって何ですか?」


と聞き返されて気を失いかけたのを思い出しました。

いらいらいらいら・・・

正太も、何ならちょっと富士様登山は面白い的なことを言いやがって、ぶん殴ってやろうと誓いました。



体中が埃と泥と汗とでぐしゃぐしゃ。

もう、だんだんどうでも良いような気になってきます。


でも、でもでも。



8合目なんだから。

もうすぐ9合目なんだから。






夜中の真っ暗な道をライトで照らしながらとぼとぼと歩きます。

半泣きになりそうでした。

ズルズル引きずって歩きます。

ついうなり声も漏らしてしまいます。

2時間、休まず登りました。

人が大勢います。

休んでいるのでしょう。



「おおお、やっと9合目か!苦しかったなー・・」



私もゼリーを飲むために足を止めました。

登山者と言うよりは敗残兵のような歩き方です。

相変わらず腹部の痙攣も止まりません。

ですが、9合目まで来たんですから!



ふと、立て看板に目をやりますと・・・


<本八合目>


・・・

あ、そう・・・

・・・

なに? 本って。

本じゃないのもある訳?

BOOK THE EIGHT なの?なにそれ?



もうね、突っ込む気力どこにも無し。

好きにすればええ。

殺せ殺せ。










眼からゲロが出てもおかしくない感じでまたしても歩き始めます。

右足は内股にしてもガニ股にしても、つま先からでもかかとからでも、何をやっても激痛が走ります。

手で持ち上げるのですが、腕もパンパン。

シャツは着替えがもうありません。

顔を拭くと泥で真っ黒けだし、目も鼻も耳も口の中もじゃりじゃり。

吐くつばは乾燥しきっているし。

凍らせた水が氷だけになってしまい、全然溶けない。

凍らした自分を呪いつつポカリを500円で購入します。

ぼったくられた感はいっさい無し。

俺が運んでいたら2000円はもらいます。





だんだん自分が悪いことをして、その罰を受けているような感覚にもなってきて。

芋虫のように歩き始めました。

頂上に行きたいのと、負けたくないのと、それだけ。

思考が止まっているので、肉だけが動こうとしています。



「アドレナリン、出ろー出ろー。」



呪文のように唱えながら。



で、再び80分くらい這いずり回ったでしょうか。

またしても人が集まって休んでいる、明かりが見えました。


「やった、今度こそ9合目・・・おえっおえっ・・・ひっくひっく、ぐすん・・」


自分を誉めてあげたい言葉を探しながら休憩場所になだれ込みました。

靴を脱ぎ、汗を拭き、星を見ます。

手が届きそうな空にまたしても流れ星が。

願い事を言う余裕は無し。

かすみそうになる目をしっかり開けて大きく複式。

酸素と腹式のやりすぎで、お腹がパンパンです。




「ポテチを持って行って袋がパンパンに膨らむのを楽しんで!」



ってコメントでも書いてもらいましたが、見なくても大丈夫。

俺の腹がそんな感じだから。

やたらゲップが出るし。

絶対関係あると思うよ、気圧とゲップ。

カロリーメイトの紙箱もカエルみたいに膨らんでるしね。





それにしても・・ゼリーと空気と水しかくちにいれていないのに・・

下腹部の痙攣は続き、手で押さえつつも身体が前のめりに倒れ込んでしまうほどの痛みが走ります。



「こんな高いところでは身体も意味が分からないことになるのね。」



さて。

9合目に着いたので、

<長かった9合目>

とかいうタイトルでブログにアップできるわねー、なんて考えながら写真を撮ろうと思いました。

看板を探しますと、すぐに見つかりました。

やったね!

カメラのファインダーを覗きますと・・・



<八号五勺  3450m>






おい。

こら。

本気で殺す気か。

8.6とか8.75とか・・・そんなんも出てくるのか?


なんじゃあそりゃああ!


そういうワナか。

8合目って言っといて、もうすぐじゃん、次が9だからって思わせる、そういうワナかっ!

思いきりワナにはまっとるがな!



・・・

何も言わんわ。

言うと泣きそうだから。



やっぱ言う。


これは、東名高速をよく運転する人なら分かると思いますが、



「どこからどこまで静岡県やねん! 静岡長すぎ広すぎっ!」


分かる人には分かってもらえるかと。

東名高速、京都を過ぎて東京に向かいます。

名古屋、湖見えて浜松、海が見えて沼津・・・どこまで?静岡・・みたいな。

東名って静岡で出来てるの?的な。




そういう意味で富士様は8合目の中にあると。

はあ?






とにかく先を目指すしかない。

なぜならば、ここら辺は登る人の一方通行の道で、下山者は道が違うのよ。

要するに登るしかない。




脳みそは完全にメルトダウンしてるので肉で考えます。



「ふーん、鳥はいないのに蜂はいるんだ。 富士様って、富士様にいると全然綺麗くない。」


そうこうしているうちに9合目とかどうでもええわ的に歩いていますとだんだんと空が明るくなってきました。

ご来光の前兆です。



もう歩くのいいわ。

キャメロンを取り出しまして。

日の出を待ちます。

じっとしていると少し寒くなってきたのでトレーナーを着ます。

日の出5





        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く





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