・・・されど役者的妹尾blog

太く拡げよう僕の細道   since.2006.4.14
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あれれ?なんか変なの。

書き続けるのが辛いので一気に麻呂のお話を書き終えたつもりでしたが、なんだか上手くいってないみたいですので再度続きを書いておきます・・・・





<麻呂のお話 最終>


「妹尾さん、麻呂君はね、すごく頑張ったよ。
 でもね、こんな状態にまでしか戻れなかった。

 これは誰が悪い訳でもない。
 覚えているとか覚えていないとかじゃなくて、生き物として脳が働いていない。

 食べることも飲むこともできない。
 嗅覚や聴覚もあやしいね

 こうやって泣き叫ぶことしかできなくなっちゃったんだよ。

 
 麻呂君はね、子犬としての幸せを、短い時間だったけどとても充実して過ごすことができた。
 ものすごく嬉しいことだったと思う。

 妹尾さんに愛されて喜んでいるよ。
 あなたに飼ってもらえたことに感謝してるよ。
 私が誓っても良い。

 犬という生き物は人間社会にはめ込まれて共存しなきゃならない。
 不自由なことや人間の規則をたくさん覚えさせられる。

 でもね、唯一人間よりも特権を持っているとすれば、それは苦しみや辛さから逃れる方法があるってことだ。

 もちろん、それを決めるのは飼い主だけどね。

 妹尾さん、あなたと麻呂君は本当によく頑張ったよ・・・」









麻呂13







診察室の椅子の上。

私の腕の中で、多分私を認識していないであろう一匹の子犬が泣き叫んでいます。




痛いんだろうな・・・


苦しいんだろうな・・・










小さな身体に、二度目の奇跡は起こりませんでした。







「もっと早く楽にしてあげればよかった・・」




こんなに苦しい思いをさせてしまった自分の決断を恨みました。











ずっと一緒にいたかったから?


愛していたから?







それは私からの一方的なエゴだったのかもしれません。


本当の意味で麻呂を思いやっていたのだろうか・・?




















<安楽死>


私にはもう選択肢は残っていませんでした。

苦しみから解放してやりたい。


先生の薦めもあり、その日は一晩家に連れて帰り、最後の時間を過ごすことになりました。

一時的な鎮痛剤が効いているのか、痙攣と叫びは収まっています。







見慣れた、思い出がいっぱい詰まっている私の部屋で。


何度も何度も謝りました。




「ごめんな、麻呂。苦しめちゃってごめんな。」




食べもせず、飲みもせず、ただじっと私の膝の上にいる麻呂に。



優しく、ゆっくりと時間をかけて身体を撫でてやりました。




麻呂への感謝と。

誰かへの言い得ぬ恨みと。

思い通りにならないもどかしさと。



私は声を出して泣きました。





・・・・?


麻呂はおもむろに起きあがろうと身もだえをし始めました。




<どうしたんだろう、何がしたいんだろう? どこかが苦しいのだろうか?>




歩くことのできない麻呂が力を振り絞って顔を上げ、私に目を合わせました。

それは笑顔だったように見えました。




そして。

驚きました。

麻呂は下あごで自分の身体を支えるようにして、両肩をねじりながらどこかに行こうとしています。




<!!>



麻呂は自分が教えられたトイレに向かっていました。

そこまで50cmほど。

ずいぶんの時間をかけてたどり着きました。



トイレの中に身体を入れることはできませんが、顎がそのフチに届きました。

寝たまま、わずかながらのおしっこをしました。

私の顔を見上げます。






「お兄ちゃん、なんで泣いてるの?
 僕、おしっこちゃんとできたよ!
 偉いでしょ!
 いつものように誉めてよ!」





!! 脳が壊れてる? ・・・・あり得ない、ウソだ!!





「偉いなー麻呂! おまえは世界で一番お利口さんな犬だよ!

 でもね、麻呂、もう良いんだよ、もういい。

 頑張らなくて良いんだよ。」






心が裂けました。

いくら我慢しても、強い声を出してやろうとしても私にはできませんでした。


流し続けているのに、まだ涙が止まらない・・・



麻呂12














翌日、病院のまだ入ったことのない部屋に通されました。

色々な注射のための機械が麻呂につながれていきます。



見ない振りをして、先ほど買ったシュークリームを口に運んでやります。


一口だけ食べました。











まだ元気で、いつも一緒に走り回っている頃と同じ口調で話しかけました。


今、この時に、私はいかなる理由があろうとも悲しい呼吸をする訳にはいきません。







「麻呂は良いねー、これから麻呂が行くところはね、いつもの公園よりも広くてお花もいっぱいあって友達もたくさんいて、すごく楽しいところなんだよー。

そんなところに行けていーねー!

・・・麻呂はいいなー。

楽しいぞー、めちゃくちゃ楽しいぞー。

お兄ちゃんも一緒に行きたいんだけどね、まだもう少しやらなきゃいけないことがあるから、麻呂は先に行ってていいよー。

あー、羨ましいなーいいなー、麻呂は・・・。」















この時だけではなかっただろうか。

自分がよく頑張れたと思ったのは・・

大きな声を出して笑いながら話し続けました。





機械の準備が整ったことを看護婦さんが目で知らせてくれました。





私は麻呂を顔の高さまで抱き上げ、キスをしました。


麻呂の目はうつろではありましたが、しっかりと私を捉えていました。


そのまま再び笑いながら話しかけます。

安心させるために。







「麻呂、行ってらっしゃい!  


 楽しいんだよー!


 いいなー!」





看護婦さんに合図を送りました。



決断。


しなきゃならない。


長引けば長引くほど麻呂の苦しみも・・・


愛しているからこそ殺す・・・

大好きだからこそ殺す・・・





・・・なんじゃぁ、そりゃ・・・・





麻呂8





身体に流れ込む薬に逆らうように固く動いていた麻呂は、母親のお腹に戻るかのように落ち着きを取り戻していきました。



痛みと苦しみから解放され、どっと柔らかく、柔らかく。







叫びます。


「いいねー、麻呂ー!

 おまえはいいねー!

 ・・・大好きだよー麻呂、大好きだよー!

 向こうに行ったら元気な身体になっていっぱい走り回れよー!」







麻呂は私を見つめ、哀しくもあり楽しくもあり・・・とにかく、私と見つめ合いました。


麻呂が何を言っていたのか・・・唯一聞き取れませんでした。









心電図の波長が弱々しくなっていきます。


痛みを感じなくなっていくのが私にも伝わります。


そして。






生を受けて八ヶ月。






麻呂は、私の腕の中で安らぎを取り戻していきました。


















永遠に愛する -麻呂に捧ぐ-

2008年10月2日




                                <続かない>


























後の書き


ずいぶんと長いこと引っ張っちゃいました。

ごめんなさい。



ふぅ。

辛かったわー。

麻呂が旅立って、この10月22日で6年になります。




麻呂11




この<麻呂のお話>は、私たちの関係を永久に残していくための確認作業として始めました。

ですから、いっぱい読んで欲しいってよりは、内々的な作業と考えております。

大の大人がたかが犬のことで・・・なんてお叱りを受けるかもしれませんが、まぁ、私ゃそのくらいの人間なのでご勘弁頂くとして。

パソコンの前に麻呂の写真を置いて書きました。

マウスパッドは、生きている頃、麻呂の写真で作った物です。

病気になってからの麻呂は一枚しかありません。

一度目の手術が成功して退院してきたときの物です。(先日アップしてあります)

<思い出作り>みたいになってしまうから撮らないようにしていました。

絶対に完治すると言い聞かせてましたし。

思えば、麻呂は状態が良くなった一ヶ月は<取り戻そう>としていたのではなく、<生き急いでいた>のかもしれません。



いつまでも引きずっているつもりはありませんでしたが、それ以上に忘れてしまうことが嫌だったです。

今回これを書いてみて安心しました。

ちゃんと生きてる、麻呂。

匂いまでしてきましたし。

そして、書きながら何度となく泣いてしまいました。








人間ってなんだろね?

そんなに偉いんかね?

私も最終的なところで結局殺してるんですけどね。





麻呂は生きていくことのしんどさ、それだけで大変なんだよって身をもって教えてくれました。

絶対忘れねぇもの。




安楽死させるときに、3本くらいの注射をうって、それがチューブを伝わって血管に入っていくのですが、今やる!って決めなきゃ1年かかるって思いました。

麻呂が楽になるから、助けるからって気持ちがなかったら決断なんてできてませんでした、きっと。

最後に、「麻呂はいいなー。」って声出しているときに、係の看護婦さんが号泣していたのを必死で手で制していました。

台無しですから。

ですが、ちょっとだけ救われた気持ちにもなれました。




当時、まぁ今でもですがこんな風に考えるようにしています。



「麻呂の病気を治してやるには、ものすごく強い薬を飲まなきゃならない。

 効き目は抜群。

 絶対に治る。

 だけど、副作用がある。

 それだけ効くんだから、副作用も強い。

 それは、俺が見えなくなってしまう・・・て副作用。

 でもね、苦しいのとか痛いのとかどうしても治してあげたいから。

 そこだけ、そこだけ我慢してね、麻呂。」









麻呂を支えてくれ、そして壊れかけていた私を支えて下さった病院の先生やHさん、友人、皆に改めて感謝の気持ちを伝えたいと思う。

ありがとうね!




















 






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13 Comments

洸 says...""
いろいろ考えてしまいました。。。

嫁さんの実家にいるコーギーとはいつも仲良く遊んでいます。
ヒトより少しの時間しか一緒に居られないので、
できるだけ怖い思いやいやな思いはさせないように。
楽しい思い出がいっぱい残るように。

まろくんは短い時間、すごく幸せだったと私も思います。
2008.10.10 14:24 | URL | #sZpm1ECI [edit]
チョッパー says...""
麻呂ちゃんのお話を(正直先を読むのが躊躇した時もあったのですが)
ずっと読ませて頂きました。
どうしても自分の体験ともダブらせてしまいますね。
私は小学生になる時にカギっ子になるから私が家に帰ってきても
寂しがらないようにと犬を貰ったのが私が5才の時でした。
鈍行電車に揺られて片道3時間。隣の県まで貰いに行きました。
帰りはその子犬と一緒にカゴに入れて・・・みつからないように
(※時効ですが電車に犬を乗車するのは法律違反です。)
その光景とかを鮮明に思い出しました。約10年間一緒でした。
行ってしまう1週間前から急に調子が悪くなったのですが
それを今でも「あの時に別の病院へ連れて行ってあげればよかった
のかなあ?」とか自分に問いています。
でも面白かった事をたまに思い出してグフって笑ってしまうんですよね。
うちで一番たくあんを美味しそうに音を立てて食べてたなあとか
風呂で「洗うよ!」っていう時に凄い嫌がって最終的に諦めて
されるがままになってる所とか・・・
犬とはいえ、やっぱり縁あって出逢えて良かったなって感じます。
麻呂ちゃんとはもちろんお会いした事がないけど、
ずっと読ませて頂いてて、段々声とか触りごごちとか想像していたら
どっかで会ったような感じさえなりました。
あー一杯泣いたので明日は目が腫れそうです。
誰かに「目、どうしたの?」って聞かれたら
「東京に住んでる男性に泣かされて~」っと説明しておきます。
ってあまりにも省略しすぎだろうがっ!って感じですが(笑)

本は宮部みゆきさんとか好きです。「蒲生邸事件・淋しい狩人」
あとノンフィクションで近々読みたいなと思うのは山崎豊子さんの
「沈まぬ太陽」です。もし近くに図書館とかありましたら絶版物と出逢えたり
たまたま手にとったのがツボにはまった!っていう快感も
あるので気分転換に行ってみるのもおすすめです。

では長々おじゃましました。
2008.10.09 00:40 | URL | #mQop/nM. [edit]
ちいこ says..."ご無沙汰しておりました。"
更新の度に読んでおりましたが書き込む事が出来ずにおりました。

麻呂と妹尾さんの愛し愛された素晴らしい八ヶ月間の思い出を、分かち合わせてくれてありがとうございました。

そんな妹尾さんにお薦め本の紹介です。
「ずーっとずっと、大好きだよ」
「いつでも会える」
二冊とも絵本ですが、とても素晴らしい本です。
きっと天国の麻呂も気に入ってくれる作品です。
是非、ご一読下さい。
2008.10.08 03:13 | URL | #- [edit]
隼 says...""
えっとですね・・・・リアルに涙が・・・・(><)

私も犬を9年飼ってますが・・・・ 実はあまり世話をしてなくて・・・兄にまかせっきり・・・・ 

なんだか自分が情けないです。 妹尾さんの文章みて改めて思いました。

麻呂ちゃんは・・・・ずっとみんなの中で生きてます!

ずっと・・・・ずっと・・・・

2008.10.07 13:56 | URL | #- [edit]
へから says..."考えさせられました"
心にグッとくるお話でした。

私も犬は大好きなのですが
飼った事はありません。
それは、死んでしまった時が辛いから。

でも、一緒の時は本当に最高の時間を
与えてくれるのだなと
麻呂クンのお話を読んで感じました。

死んだ時が辛いから飼わない、なにもしない
って消極的な考えで後で後悔する・・・
こんなんでいいのか?と考えさせられました。

幸い今は両隣のお宅がかわいい犬を飼って
おられるので、その子たちをかわいがっていますが
いつかは自分でも飼ってみたいと思いました。

妹尾さん、ありがとうございました。
2008.10.06 22:11 | URL | #j3T/fhN6 [edit]
氷室 静 says..."ダメっす。。。"
もぉ大号泣で読みました。

私も15年前に最愛のわんこを亡くしました。
それ以来自分のわんこは飼ってないけど、

あー、ダメだ、泣けてコメント書けません。

強い絆で結ばれているんですもの
きっと近くで見守っててくれてますね。

maro

I Love You Forever。

2008.10.06 03:09 | URL | #- [edit]
iku says...""
初めてコメントさせてもらいます。
私はいま18歳です。
妹尾さんのことを知るきっかけになったのは
小さい頃からよく見ていたビデオに妹尾さんが
出演されていて、それがメタルダーでした。
私は3人兄弟なのですが、私と兄はメタルダーが
好きで最近やっていた再放送で最後まで見ることが
できてまた好きになりました。
久々に「ゲキ塾。」を見てみたら、愛犬のことが書いてあって祖父が亡くなった時の悲しさを思い出しました。
私の家も雑種の犬を飼っています。今年で、13歳くらいであと何年生きれるのか分からないので、大切に飼おうと改めて思いました。
2008.10.05 20:35 | URL | #FkPitUjM [edit]
Yママ どぇーす says..."家族だから・・・"
長い間書き込めずにいましたが ずっと読んでいました。麻呂ちゃんの事は 身に詰まされて読むのが本当に辛かったです。
縁があって妹尾さんと暮らした麻呂ちゃんは 幸せだったはずです。
たかが犬の事で・・・と確かに言う人がいます。
これは 飼った事のない人には分からない感情なのかも知れません (>_<)
我が家の クン助(犬)も 先月24日に 手術をしました。
セミノーマ(癌)です。
麻呂ちゃんと違い もう11年も家族の一員として過ごしてきました。
もう 歳なんだから 高いお金を出して手術なんかしなくても と言う人もいました。
生きれるのなら 治してやりたい!!
心底そう思いますよね。 自分の心のより所を失してしまうの 嫌なのかも?とも思いましたが。 
術後は主人と交代で抱いて寝かしています。(傷跡が痛むのか 立ったまま寝ようとするので)
元気になると 信じつつ・・・
妹尾さんの 気落ち本当によく分かります。 泣けてきます。
命あるもの いずれは別れなければならないのです。
生きた長さじゃなく 生きてる間の愛情の深さ 濃さが
一番大切なんだ!!と 麻呂ちゃんが言うてます きっと。

2008.10.04 23:08 | URL | #9trEe/lc [edit]
ゆずのママン says...""
久しぶりに拝見しようとひらいたら、いきなりこのページに案内されて… 涙で画面が見えないからちゃんと文字が打てているのかも分からないけど…

ひとつだけ言えるのは これを読んで私のツワリが一気に
なくなりました。ありがとう。


もし、もしうちのワンコが同じ立場になったら?
私にとって、愛するって事は どういう風にする事をさすの?
そもそも、ボスはうちにいて、幸せなの…?


答えもないし分からないし、私には何もうまくコメントはできないけれど、私が麻呂ちゃんだったら こんなに愛してくれる飼い主さんに出会えて幸せだっただろうなー、って心から思いました。

だから、麻呂ちゃんは、生まれ変わってもまた
必ずお兄ちゃんの所へ戻ってくるでしょうね!

こんなに強い絆が、麻呂ちゃんの死で終わるはずがないもの。




2008.10.04 22:27 | URL | #- [edit]
はるか says...""
初めてコメントします。最後まで読んで涙がボロボロ流れてきました。私は18年一緒だった猫の死に目に会えなかったので、眠りにつく瞬間までまろ君はめちゃくちゃ幸せだったと思います。
2008.10.04 00:55 | URL | #- [edit]
F says...""
今、また違う色々な人たちの中に麻呂ちゃんが生き返りましたね。
お疲れ様でした…。
2008.10.03 14:45 | URL | #- [edit]
なを says...""
命ってさ、見えないけどちゃんとあるね。体はなくなっても塾頭さまのそばにまろちゃん、いるね。

私今日、仕事で車に跳ねられたネコさんを処理しました。
命の重さを感じました。
2008.10.03 13:01 | URL | #- [edit]
へから夫人 says..."朝からウルウル"
朝からウルウル・・・ いや、ジャージャー ズルズルしてしまいました。

他人の私から見てもたった一つ断言できることがあるとすれば、
「麻呂ちゃんいとって、妹尾さんが誰よりも最高のお兄ちゃんである」ということです。

これほど麻呂ちゃんを愛している妹尾さんの選択は、どれも正しかった。
そうも思います。

八か月の間に、一生分お兄ちゃんに愛してもらいましたね。

犬と人間。
親と子とはまた違うけれども、これほど濃い関係が築けるんだと実感する麻呂ちゃん物語でした。

ありがとうございました。
2008.10.03 09:29 | URL | #no8j9Kzg [edit]

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