・・・されど役者的妹尾blog

太く拡げよう僕の細道   since.2006.4.14
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長いから。興味ない人はとばしてねー。

秋ですから。

本をね、読むんですよ。


まぁ元々本が好きだったワケじゃなく、ガキの頃は母親に


「本を読め。それ以上アホウになったらどーする。」


なんて毎日のように言われておりました。


特に夏休みなんか。

ただ単にじっとさせていたかっただけでしょうが、私はそんな大人達の思惑には乗りません。



「意地でも読まない。絵もないし。面白くねぇ。」


まーとにかく読みませんでした。

マンガは大好きだったけど。

あのころは少年ジャンプを愛読しておりました。

アラレちゃんとかの連載が始まる前。



江口寿とか大好きでね。

秋本治もまだ当時は山上たつひこのパクリで山止たつひことかいうペンネームでした。

あまりにもおもしろかったので「こち亀」(当時はそんな呼び方しなかったけど)両さんの単行本を買っていました。

当然作家名は山止たつひこ。

何巻からかな、秋本に変わったのは・・




いつも通り話が横道にそれておりますが、とにかくだんだんにでも読むようになってきたのは18才くらい、人並みに読むようになったのは20才を大きく過ぎてからではなかったでしょうか。



とにかく最初にはまったのは文句なしに司馬遼太郎。

9割方ノンフィクションでしょ?

もう面白いったらありゃしなかった。


当然、幕末大好きになっちゃって。

氏の著書は殆どそろえました。

が、いろんな人に



「あ、これ貸して!」


「うん、いーよー。」


攻撃を受けて、現在ではずいぶんと減っております。

返してもらえないから。







んで、何が言いたかったかというと。


こないだ読み終わった本でね、久しぶりに号泣してしまったのがあって。

電車とか公共の場所でクライマックスを読んでなくて良かった。

嗚咽に似た涙がとまらなかったんですもの。



「象の背中」



書いたのは 秋元 康さん。


・・・

会ったこともないのにおかしな話なんだけど、なんかあんまり好きな感じの方ではなかった。

だから、この本も当然自分で手に入れたわけではなく、友人から回ってきたもの。



「面白いよ・・・」


(・・・)の含みが気になったけど、まぁせっかくだから読んでみるか的に。


最初は私も穿った読み方をしておりますよ、はい。




「なるほど、流石は放送作家だけあって画を捉えた書き方してるなー。うんうん。ディレクター感覚がフィードバックされてる、っていうかそれも当たり前なんだろうなー。」



なんて。


でも、ずーっと腹に重いものを抱えたような状態でストーリーが進んでいくので、早くすっきりさせたいと言う気持ちが手伝ってどんどん読んでしまう。

で、最後は大泣き、と。




いやいや、久しぶりに泣いたわ。

ほんとに。


トータルして言うと面白いですよ、特に私くらいのオッサンには。

女性はどうかな、好き嫌いがあるかもしれない。





で、翌日、速攻で同タイトルのビデオを借りました。

はい・・・




納得。

面白くも何ともねぇ。

嫌われないような編集も好きじゃないし、全体的に軽い。

これは俳優さんの問題じゃないような気がする。



・・・

テーマ的には画に起こすのは無理があるのかしらねぇ。



あらゆる作品に共通していますが。

やはり人間の持つ想像力というものには予算が関係ないからね。

どうしても本の時点の方が面白くなってしまうんでしょうなぁ。



うんうん、いとをかし。









さて、読もうと思って読まないことにした本があります。

これも映像になっているようですが、問題が多くて描写に神経質になっていると言うことらしく。

かなり柔らかめなモノらしいです。



ですから、もしもこの映画や品に興味がある方は、いきなり原作を読んでみて下さい。

今の日本人が知っておいた方が良いこと、知らなきゃダメなこと、いっぱい書かれております。


これに似たことを表現しているモノを調べたことがあり、私は自分の存在や宇宙観まで見失いかけたことがあります。


だから、読まないんじゃなくて、よ・め・な・い。




<闇の子供たち>


って本。


・・・

是非感想を聞かせて下さい・・・  (ミセスへからさんやなをちゃん、いかがですか?)






今、本屋さんでオモローな本を探しておりますのです。

お勧めがあれば教えて下さいませ。

















<麻呂のお話 9>



その当時私は車を持っておりませんでした。

ですから、「ゲキ塾。」で一緒にやっているヤッサンに世話になり、度々貸してもらっておりました。


麻呂9



朝。

痙攣がひどくなってきています。

5分に一度、というものではなく、痙攣の合間に大人しくなる時間がほんの少しある、という。


私は抱き続けています。

強く。



強く抱いていないと、痙攣の度にものすごい回転で壁や物に身体をぶつけながら転がっていくんです。

前足はだらりと垂れ下がり自分の身体を支えることができません。

後ろの足は最早ただの飾りのようです。


歩く、というか前進するときは、胸をよじりながら前の手をばたつかせ、邪魔になった後ろ足を引きずるようにして。

何かの肉がうごめいているだけです。


ありとあらゆるところをヒクヒクと痙攣させ、口は半開きで首も横を向いたまま。



ですが、目はしっかりと力強い光を放っておりました。

放っていると思いました。




「まだまだ、何のこれしき。お兄ちゃんともっと遊ぶんだ!」



そう言ってました・・・





「心配するな、麻呂。おまえは強いんだ。絶対に治してやるからな!」




ヤッサンに借りた車で病院に向かいました。


病院が開くずいぶん前に到着し、駐車場で待っていました。





「何か甘いものでも喰うか?」




普段は甘い物はやりません、が、時が時です。


痙攣で暴れても良いように、薄手のジャンパーの中に麻呂の身体をつっこんでシュークリームを買いに行きました。

店内の甘い匂いに誘われて鼻をヒクヒクさせています。





「ほら、好きなだけ食べな。遠慮しなくて良いよ。」


ものすごい嬉しそうな顔で私にほほえみ、ぺろぺろと顔を舐めてきます。


舐めて・・・


シュークリームを鼻先に出してやりますと、パクリと・・・・・・・・・・・


食べることができませんでした。

麻呂の口はむなしく宙を噛み、歯と歯がぶつかる乾いた音を響かせるのみでした。






「・・・そっか、麻呂、もう目が見えないんだな。思ったところに口を動かせないんだな・・・」






「あれ、おっかしーなー、へへへ、ちょっと間違えちゃった。よいしょっ・・・あれ・・・?」





もういいよ、麻呂。

ほら、お兄ちゃんが喰わせてやるから。

私はシュークリームを小さくちぎり、クリームを私の指に塗って口の中に入れてやりました。




「うわー、美味しい!」



「なぁ、甘いだろー。よかったなー。たまにはお兄ちゃんだって甘い物をあげるんだよー。」




麻呂は噛む力を調節することもできなくなっていました。

がぶり、がぶりと一口ずつ全力で私の指もろとも噛みついています。



何個くらいのシュークリームを喰わせてやったでしょうか。

ちぎって、ちぎって。

指は所々出血していましたが、これっぽっちも痛くありません。




麻呂の口の周りを拭いてやり、ミルクを手で飲ませている頃に病院は開きました。



麻呂10




昨夜、といいましても先ほど、先生のご自宅に夜中の失礼を詫びて連絡はしてありました。

一番に診察台に載せてもらい状況を説明します。



先生は、優しくも威厳のある声で私に言いました。





「・・・妹尾さん、どうしたいですか?」





この病院でお世話になる前から、麻呂には強制的に選択肢に入れられているワードがあります。



<安楽死>



つまり、麻呂をこの身体の状況で再手術させてもう一度奇跡を呼ぶか、それとも安らかな眠りにつかせるか・・


この二者択一を選びなさい、ということでした。








私は麻呂の前では強くあろうとしていました。

病気なんかなんてことはない、お兄ちゃんと一緒なら全然平気だぞって安心させたかった。

大好きだったから。

愛していたから。

ずっと一緒にいたかったら。

生きて欲しかった。







私は自分の感情に負けて、この時間違った判断をしたのかもしれない。






麻呂7



「先生、麻呂は強いんです。目が言ってますまだまだ頑張れるって。お願いします、手術をして下さい!」


必死に。

必死にお願いしていました。





「・・・・分かりました。ただ、リスクは前回よりもはるかに大きいですよ。あの手術だってここまで後遺症なしに戻ってきたのは奇跡なんですから・・・」



「はい、覚悟はします。が、大丈夫です。奇跡を起こしますから!」







・・・?・・・何?・・・   を    起こしてみせる   から   ?







早い処置が必要だと言うことでその日のうちに手術になりました。



「麻呂、さっきシュークリームいっぱい食べただろう?あれでパワー全開だよ。手術なんて屁でもないから。頑張ってな!」



「うん!お兄ちゃん、僕に任せてよ。またいっぱい遊ぼうね!頑張るね!」








きつい手術なので、多分2~3日後に電話をするのでそうしたら来て下さい、と言われて家に戻りました。


地元の氏神様にその足で行き、先日ここに麻呂と二人でお礼を言いに来たことを思い出し、またお礼を言いに来ますので是非助けてやって下さい・・と祈りました。


この時は自分の中に時間の概念が無く、1時間なのか1秒なのか何がなんだか分かりませんでした。











4日後くらいだったと記憶しています。

気の遠くなるような長い時間を無為に過ごしたようです。




「麻呂君に「会いに来て下さい。」




病院から連絡がありました。


例のピンクのバッグに麻呂の大好きなお菓子を入れて電車に飛び乗りました。







「人間って、そんなに嫌なことが続くもんじゃない。
麻呂はまた前のようにめちゃめちゃ元気で飛びついてくる。
絶対に元気になっている。
否、もしも脳がやられて俺のこととか分からなくなってしまっていても良い。
元気な身体になってさえいてくれればいい。
また最初から友達をやり直せばいいだけなんだから。

・・・・・・・・・

おおっ、麻呂ーおまえは本当に強い男だなー、俺、尊敬するよー。
すごいなー、すごいなー、麻呂はすごいなー。

大好きだよ、麻呂。
ずっと一緒に遊ぼうな!」
















病院に駆け込むと、すぐにそれと分かる鳴き声が!

叫んでいます。

俺を呼んでいます。

・・・・・



正直なところ、この後、この病院で何が起こったのか細かいことを記憶しておりません・・・


ただ先生の言ったことは覚えております。







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4 Comments

なを says...""
映画のタイトルだけでも気になっていたお話です。
私もへから夫人とおんなじくらいへたれだけど読めるかな。
私の頭には羽根がありますけど。
以前、なかにし礼の「赤い月」を読んでものすごく自分の「今」をありがたく思った。
読んでいて心が震えた。

それと同じくらいの衝撃がありそうだわ。
2008.10.03 12:56 | URL | #- [edit]
へから夫人 says..."いやいや、無理です。"
私、自分の価値観を覆すような冒険をする勇気のない人間です。

インドに行ったことある人に
「一度言ってみるといいよ。価値観変わるよ。」
なんて言われたのですが
「いや、価値観、変わらなくていいですから~」
と丁重にお断りしてしまったことがある程、ヘタレです。

ピアスの穴を開ける度胸もない。

手術は平気なのに。


「闇の子供」

もう、アマゾンのレビューを読んだだけでぞっとしました。
フィクションであっても、知りたくない世界です。

個人的には、ファンタジーが好きです。
私の心には翼がありますから。(意味不明)
2008.10.03 09:58 | URL | #no8j9Kzg [edit]
苔丸 says..."秋の夜長を・・・"
 私も司馬遼太郎氏の作品が大好きで、よく読みました。
「竜馬がゆく」「燃えよ剣」「項羽と劉邦」「梟の城」・・・などなど。
他の作家の歴史小説も読みますが、氏の歴史観・人間観が自分に一番フィットする感じがします。

 マンガもよく読みました。(今でも読みます)中でもお気に入りは、「カムイ伝」「デビルマン」「1.2の三四郎」です。

 あと映画はなんといっても「七人の侍」の大ファンです。

 なんかお見合い用の趣味の欄みたいになってゴメンナサイ。

 「麻呂のお話」・・・最後までしっかり読ませていただきます。

2008.10.02 22:35 | URL | #- [edit]
あつみ says..."ありがとう"
思い出を教えてくれてありがとうございました。
うちにはたろうがいました。
彼を思い出しつつ、まろくんとも
実際に会ったような気持ちになりました。
2008.10.02 17:09 | URL | #mQop/nM. [edit]

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