鏡開き
こりゃあっという間に今年が終わるな…ってくらいのスピード感で1月7日、松の内です。
七草がゆ…なんですが、私、あんまり食べたことありません。
大人になってから、自分らで興味本位で食ったことはありますが、本音ただのクソ不味いおかゆです。
あんなのなら普通のおかゆの方がいい。
まあ、漢方的な味で身体にはいいとされているのでしょうけど。
めんどくさがりやな私の親が作ってくれた記憶もありません。
私、この松の内と呼ばれる7日に関しましては、ちょっと日にちは違うのかもしれませんがもっと他の想い出が強くあります。
それは、剣道です。
子供の頃に不真面目に通っていた剣道。
小学校の体育館で、この時期には足の裏が冷たくて。
いや、冷たいっていうよりも痛いって感覚です。
足の裏をもう一方の足の甲でスリスリしながら大声出して
「小手-、面ー、胴ー!」
ってやってました。
んで、正月明けの一発目の稽古。
初稽古。
市内を振り回している間に、どなたかのお母さん達が集まっていて、体育館の奥の方で煮炊きをしてくれています。
ってか、おぜんざい。
ぷーんと甘い香りがしてきます。
気もそぞろに稽古を終えると、先生が、
「新年おめでとう。では、これから鏡開きを始めましょう!」
と。
子供らはもう半笑いに悦びが漏れています。
飾られていためっちゃでっかいお餅が運ばれてきます。
子供心には直径1mくらいあったような気がしてますが、まあとにかくそれなりの大きさのお持ちが2~3段重なっています。
当時はそこらじゅうの家で餅つきをやっていましたので、都合の良い大きさの餅なんて全然珍しくなかったのね。
しかも、前年の暮れから祭っているモノなので、カッチカチ。
ひび割れとかもあって、大人の人が大きな木槌とかを持ちよってシートの上でたたき割ります。
なかなか割れないのですが、私らも思いきり割らせてもらいまして。
剣道の稽古よりよっぽど力が入っています。
で、その欠片を火にあぶって焼きまして。
器におぜんざいと共に入れてもらって、はふはふ…いただきます。
多分、そんなに美味なモノではなかったかと思われるのですが、そこはそれ、キャンプのノリと同じです。
同じ釜の飯、同胞と一緒にゲラゲラ笑いながら食す…美味しいに決まってます。
40年経った今でも記憶に残っているのですから。
不思議と、剣道やっている頃の写真が一枚もないのですが、こういう情景はしっかりと脳裏に焼き付いてますね。
ケーキなどの甘いものが嫌いな私ですが、おぜんざいだけは大丈夫なのね、この思い込みで。
さ、我が家でも…と思いますが、真空パックに入ったスーパーのお餅や、お飾り用のそれじゃあ、<なんだかなー>…です。
臼と杵、買うたろかしら。
昭和の子供らは、こういうことで大喜び。
自然と厄除けや厄落としなんかをしていた気がします。
***(懐かしの場面シリーズ・その16くらい)***************
「ほなら帰ってタコ上げようで!」
「ええええ!えーなー、ゲイラカイト持っとん!?すげーなー!」
「すげーじゃろ! 風がのーてもすぐ上がるんじゃ。まっすぐ上に上がるんで。すごかろー!」
「でーれーもんじゃのー、わしーぃもやらしてくれー!」
「おえるか! オカンに買ーてもろーたばーじゃけー。」
「なんよんなら、けち!」
新聞紙を切りつないで奴凧の足に貼り付けていた私が、当時うらやましくてたまらなかったもの。
(注:一部の地方を除いて通訳が必要な場合があります。検索機などをお勧めします。)