・・・されど役者的妹尾blog

太く拡げよう僕の細道   since.2006.4.14
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にほんしりーず ウキウキ





朝からちょっとワクワクしてます。

日本シリーズ!

先発投手は阪神がメッセンジャーでソフトバンクがスタンリッジ。

昨年まで同じユニフォームを着ていた者同士です。


スタンは打線援護に恵まれず辛い思いをしたでしょうが、金銭的に美味しいチームに移籍していきました。

これはプロとして当然のこととして、とにかくその対戦が楽しみで仕方ない。

王監督が、今年のソフトバンクの補強について<こういうことはしたくなかった…>とシーズン前に語っておられましたが、まあこれも一つのあり方でしょう。

古くは巨人が同じようなことをして有能な選手をどんどん墓場に送り込んでいってましったしね。

愛する阪神も広島から主力をブッコ抜きましたし、とにかく選手達が良いと決めて動いているので外野がとやかく言うことじゃないのでしょう。

ただ、このチームの顔!的な選手はやはり応援している子供達の夢をつなげるためにもそのままでいて欲しいな、と少し思ったりもします。

実働時間の短い選手、たくさんの評価をしてくれる場所で働きたいのは当たり前ですけどね。







私はこの世に生を受けてからずーっと、時にはキチ●イ扱いされるほどのトラ党です。

ブリーデンや田淵、藤田平、遠井のゴロちゃんの頃から応援しています。

なので、裏切られ方も堂に入ったもの、どんとこい、です。

先のCSは阪神、正直できすぎ。

皆、CSは高校球児のように必死に戦いますからものすごく面白いです。

不真面目な奴らが急に


<チームのために!>


とか言い始めて,本当にケガを恐れず必死になるんだもの。

阪神だってね、巨人に菅野がいたら、とか阿部が普通なら…まあタラレバですが、とにかく奇跡に近いほど上手く廻りましたさ。

が、そのままの調子を持続させる…そんな美味しい計算が働く…なんていうのは全く思っていません。


古い阪神ファンならよーく理解できるはずです。

昭和一桁生まれの両親ももちろん村山、バッキーの直筆サインを宝にするほど筋金入りの阪神ファンですが、



「あほ。そんなスッス…行くわけがねえわ。阪神舐めるな。」



と、逆ギレ状態です。



私、個人的に阪神買ったら嬉しいですよ、棚からぼた餅で。

リーグ優勝のジャイアンツには申し訳ないですが。

でもね、本当に


勝てる気がしません。

勝つ方が不自然と思ってしまう、そんな阪神ファンのDNAがインプットされているのですね。




「ほらね、だから言ってたじゃん。普通普通。そんなもんだって!」

or

「まじか! 信じられん! 僥倖にも程がある! 死ぬ前にもう一度見れたか!」


阪神旗



とにかく楽しみなのね。


*****************************************



<麻呂のお話 7>



翌日Hさんのお宅に行くと、座る暇も与えずにHさんは話し始めました。


「妹尾君、本当にごめん。辛い思いをさせちゃって。まずは謝らせて。
で、この後のことなんだけど、私の知っている先生が一度麻呂君を診せてって言ってくれてるの。」



昨日の今日です。

Hさん、どんだけ動いてくれんだろうと思うと感謝の気持ちで押しつぶされそうになりました。

察してるかのように、



「今はとにかく麻呂君のことだけを考えよう。どうするのが一番いいのかは私たちが決める事じゃない。ちゃんと先生に診てもらおう、ね、すぐに行こう。」



紹介されたのはとある獣医大学の病院です。

話が通っていたのか、大勢並んでいる患者(患犬?)をよそに脇の通路から通されました。

もちろん、私は例のCTの写真を携えています。



先生が写真と麻呂を見比べながら体中を触診しています。

見守る私たち。

・・・



希望のある言葉が聞きたくて。

それ以外聞きたくなくて・・・


長く感じました。

実質4~5分くらいでしょうか。





先生が私の方を振り返り、ゆっくりと口を開きました。





「妹尾さん。・・・殺すことはない。まだまだ手はありますよ。難しいですがやってみる価値はあると思う。」







待ってました。



そーゆー言葉。



頭の中で花火とかクラッカーとか爆竹とか、とにかくばんばん鳴り響いていてうるさい。





「ありがとうございます!」





「ここまでよくあきらめませんでしたね。その執念は麻呂君にも伝わっていますよ。
そして、そこまで守ってもらって麻呂君はとても幸せな子犬だと思いますよ。
・・・それにしても何の工夫も考えずパターン的に安楽死を勧めるのは解せない・・・」


「・・・はい。特に私のようなタイプには。」






詳しい話を聞いてみると、やはり完治するわけではないらしいのだが、少なくとも今よりは痛みを抑えてやることができるらしい。

今のままでも麻呂の頭は十分に働いていると私は認識しているので願ったりかなったり、いや、最高の気持ちだ。






ミニチュアダックスフント。

特徴:体長は低く胴が長い。






これからの治療法はこうだ。

頭に貯まった水(これが脳を圧迫して痛みや痙攣を引き起こさせる)をチューブを使って膀胱を通し、尿として排出させる。

これからも溜まり続けるのでチューブを抜くことはできない。

チューブは体内を通すには弊害が多すぎるので、頭蓋骨に穴を開け、そこにチューブを通して骨と皮膚の間を背中に沿って挿入する。


もちろん体力の低下に伴う手術の危険性は十分に予想してほしいとのこと。

てか低いぞ、と。

更に、上手くいったとしても、胴長体型なので(上から下に流れにくい)体液が排出される際にチューブの途中で詰まってしまう可能性がある。

そしたらかなりやばい。

それは今までに同様の手術例が無いのでどのくらい持つのかは想像できない。

1日しか持たないかもしれないが10年持つかもしれない。

まさに神のみぞ知る・・・・だと。

脳を手術するというのはネガティヴな要素が多い。

生まれ変わったように違う性格になっていたり人や物を忘れていたり。


あとは手術にかかる費用は決して安いものではない・・ということ。

ま、保険効かないし、ね。






こういった条件を懇切丁寧に話してくれました。

当時の私の脳みそでも十分に理解できる程優しく、丁寧に。





上等です。

命を賭けるには十分すぎる条件です。

成功率3割?



もっと打率の低いやつがプロ野球選手やってる。

二人で病気にケンカ売るって言うのはそのくらいの方が燃えてくるってものです。ウソです。





しかし、考えるまでもありませんでした。

見過ごして死なせるよりは賭けてみる。


そういったモチベーションで望んでおりましたから。

早速翌日に手術をすることになりました。

いろんな書類にサインをして、麻呂とはここでお別れです。

3日後に来てくれと言われました。

麻酔が切れる頃なんですって。






・・・また全身麻酔。


すぐに元気になって会おうな!

堅く男同士の約束です。

今生の別れではないと言い聞かせ、麻呂に何度もキスをして病院のハウスに入れ、私自ら錠をしました。





がんばれ、がんばってくれ・・・






翌日手術に立ち会おうと思い病院に連絡しましたが当然の事ながら断られました。

何か異変があれば必ず連絡してくれるという約束をしてもらい。

結局祈ることしかできませんでした。






一日千秋・・・





午後に、手術が上手くいったので安心しろとの連絡がありました。




一呼吸、二呼吸・・・

意識して空気を吸います。










翌日。


約束の日。


私と麻呂が元気に笑いあって再会するという約束の日。


朝、まだ病院が開く時間よりも早くつき、近くの駅でシュークリームとコーヒーを飲んで時間をつぶしました。


もちろん一番に飛び込んで受付をすませ、手術をした部屋の脇を通り抜け、術後の麻呂が眠っているであろうハウスの部屋を目指します。

看護婦さんが案内しようと笑顔で手を差し伸べてくれますが、私は軽く笑って遠慮してもらいます。




麻呂のいるところ。

ピンポイントでそこしか見ていません。




「どうしよう・・・先生に手術の説明を聞く前にこの部屋に来てしまった。
動けない状態なんだろうか。
もしも植物状態になっていたら・・・
私のことを認識できるんだろうか・・・
性格も変わってしまってるかも・・・
やはり機械につながれているのだろうか・・・」





いろんなことが頭に浮かびます。

とにかく。

とにかく昨日大きな手術をしたばかり。

そっとしておいてやらなきゃ。

遠くから見守るだけでもいい。

そっと、そっと・・・




簡単な無菌室のような作りの部屋をノックします。

どうぞと手で合図をされ、麻呂のハウスの前に立ちました。



呼吸を整えて心地よい気を出せる準備をします。




眠っていたら触らないでそっとしておいてやる。

もしも起きていたら、よく頑張ったなと笑ってやり、すぐに休ませてやる。




・・・・?





何か音が聞こえました。






もう一度。

間違いない。

私が間違えるはずがない。

麻呂の鼻息の音です。




「きゅーん!」


・・・


「早く!お兄ちゃん、早く開けて!」



うわ・・ははは?

マジで?





はやる気持ちを抑え鍵を開けました。

そのハウスは4段くらいに重ねられており、麻呂のそれは一番上の段です。

私の顔の正面くらいの高さ。



鍵が開きました。

と、そのとき私ではなく麻呂の方から体当たりで扉を開けてきたのです。

扉を開けると同時に私の顔をめがけてジャンプ!

飛びかかってきたではないですか!




「うわぁぁぁ、麻呂! やったな、おい。めちゃくちゃ元気じゃねーか!」



(はっはっ)と荒い呼吸をしながら私の首から顔からなめ回してきます。



「分かったよ、麻呂、わかった!」





笑いが止まりません。

きっと麻呂も同じだったでしょう。

嬉しくて嬉しくて涙が止まらなくて。







先生にお話を聞くために隣の部屋に行きました。


「あらら、麻呂君、昨夜よりももっと元気が出たねー。」


先生もにっこにこ。


てことは術後、麻酔が覚めてすぐに元気だったってこと?


やったやったやった!



「妹尾さん、これははっきり言いまして大成功です。
こんなに術後の経過がよいのも滅多にないことで。
すごい運の持ち主だと思います。
目もしっかりしているし。
・・・ただ、やはり脳はかなり圧迫されていて原型をとどめていない。
なのに何故こんなにしっかりと飼い主が分かったりするのか・・・理解できない。
生命とは素晴らしくも神秘的な物だと言うことでしょう。
大切にしてやって下さい。
また何か異変がありましたらすぐに連絡を。」





何十回頭を下げたか忘れるほどお礼を言いました。

ピンクの入れ物に麻呂を入れてその病院を振り返ったとき・・・聖地に見えました。

ガンダーラ。



祈りは通じる・・・Hさんはもちろん、誰彼ともなく感謝の気持ちを捧げました。




ざん切り麻呂



手術してー

髪の毛切ってー

管通してー

とほほな顔でー


お公家様の麻呂からざん切りお侍さんみたいになっちゃったよー。


            <やっぱしもうちょいつづく>


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1 Comments

まっふ says..."風呂上り♪"
麻呂君、術後の経過が良好で良かったですね。
なお、今5回裏ですが阪神が1-0で勝ってます。
2014.10.25 20:00 | URL | #KGkFlZkk [edit]

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