・・・されど役者的妹尾blog

太く拡げよう僕の細道   since.2006.4.14
0

新人類目線と麻呂、その5



雨。

つまり憂鬱です。

が、本日は役者の先輩、声優でもお馴染み、高田祐司さんの芝居を観に行きます。

きっとめっちゃくちゃ面白いに違いないので、この鬱々とした空気を吹き飛ばしてくれるでしょう…はず!

その後は稽古なんですがね。

最近の稽古はみなさんとっても力が入ってて熱心なのでこちらもつられてテンション高くなりっぱなしです。

くたくたになる稽古なんですが、仕事の場に生かしてくれているので嬉しい限り。

負けないように頑張りますとも!




*******************************




「最近の若い者は…。」


っていう、2000年も前から言われ続けている言葉らしいのですが、これ、言われているときにはとっても好きじゃなかったんです。

私らなんかは非常識、アホを代弁する<新人類>って言われた年代ですしね。

新人類の超人機。

肩書き多し。



なんですが、立場が変わるとどうしてもその語句しか出てこないときがあるんですね。

何なんでしょうね、知識っていうのはどこに線を引いて良いか分からないので知ってる人と知らない人を分けるのは難しいのですが、この大馬鹿モノの自分でも知っていることが全く伝わらないことが多いと困ります。


役者との会話で、



「徳川家康って名前は聞いたことがあるけど何をした費とか走りません。え、時代?…えっと昔の人ってだけ。」


「菅直人が現在の官房長官。 え、菅?すげ?かん…でしょ?」


「うそー! アメリカと日本が戦争したんですか? マジすか? かっけー(かっこいいの意)!!」


「ヒトラー? 知ってますよ。悪いことした人。内容?時代?…知らない。」


「タカ派? え?野球?」


「ばいこくど? なに?…ど?」


「じゅーぐんいあんふ? はあ?」


「のるまんでぃー? D-day? たいへーよーせんそー? 第二次でしょ?」


27歳


まあね、暴れそうになるのを押さえるのに必死になることも多いのですが、ここがデフォルトですって言われたら,ああそうですかとしか答えようがないので慣れることにしています。

が、本当に情けなくて泣きそうになるんです。

これでいいんでしょうか…先行き、子供達が育って日本がこんな感じだったらきっと衰退していくんじゃないかとマジ心配してます。

馬鹿回答


有難う・こんにちは・失礼します・の類いが言えない子も多いです。

これはもう身内ならば一生懸命教えようとしますがね…なんともはや…。






「だって、誰も教えてくれないんです。」


社会人というのは生徒じゃありません。

自分で興味を持ちましょう、ってか自分で学びましょうね…としか。

ゆとり教育が原因かなんか知らんけど生き方、自意識の持ち方一つだぞ、と。



**********************************


<麻呂のお話 5>


私には縁の無さそうな、本郷は赤門をくぐり日本で一番と言われる大学に入っていきました。


若い先生が全て段取りは整えてくれています。

獣医科の外来に並び、順番を待ちます。





どのくらい待ったでしょうか。

春から夏へと心を弾ませるべき季節だったように記憶しております。

二階の待合室に連なって、外に飛び出すように設計さたテラスがあります。

例のピンクの持ち運び用のバッグに入っている麻呂を外に出し、暖かくなりかけていた空気を思い切り吸い込んでいました。




「絶対大丈夫。大丈夫大丈夫・・・」



何が大丈夫なのかは理解していません。

とにかく念仏のようにつぶやきながら自分をキープしようとしておりました。

風を感じるどころではありませんでした。






診察室では一通りの説明を受けます。

いかにもベテランぽい先生は敢えてそうするのか、普段通りなのか、淡々と箇条書きのような説明をしてきました。



1.全身麻酔の危険性。

2.幼体での連続した検査の身体的負担。

3.どちらにしても望ましい結果が出ることは考えにくい。

4.費用はとてもかかる。




1.2.は予想してきた。

麻呂と二人で乗り越えよう、ケンカしようと話し合ったこと。

3は知ったことじゃない。

それをぶっ飛ばすために来ている。

4,乞食になってでも何とかする。




負け惜しみの固まりです。

半分泣きながら麻酔、MRIとこなします。

これで良いのだろうか?






生きているのか疑いたくなるほど深い眠りについた麻呂を抱き、重い足取りで家路につきました。

胸に耳を当て、鼻先に髪の毛を垂らし、とにかく動いていることを確認していました。



やっぱり思ってしまう。

こんなに辛い事させて本当に良いのだろうかって。




100万分の1でも良いから変わってやりたい。



何もできない、何もしてやれない自分をこの時ほど憎んだことはなかったかもしれません。






夜中でしたでしょうか。

麻呂はまたもや突然に目を覚まし、元気に甘えてきます。



おしっこをトイレでやろうと必死に頑張っています。

だって、上手くできたら私は溶けるほど頬ずりをして誉めてあげるから。

それが嬉しくて嬉しくて、一生懸命トイレに行って用を足そうとしています。




しかし、、病魔が身体をむしばんでいるのでしょう、前足でしっかり大地を踏みしめることが難しくなってきているように見えました。


否、確実に・・・





この頃から現在ある現実を真正面からとらえていたように思います。

自分達を慰めても快方には向かわない。

現実を理解して、少しでも良いから良策を講じようと。

デジタルな自分を強く持とうと。









夜の発作も頻繁に起こるようになりました。

急に<キャインキャイン>と絶叫したかと思うと壁にぶつかるまでのたうち回って転がり、私が抱き上げても首をあらん方向に捻り上げて苦しみます。


大きな声で、いかにも遊びの続きのように



「麻呂!どーした、うん?びっくりしたのか。そっかそっか!だーいじょーぶだー、お兄ちゃんがずーっと一緒だからな!」




何なら大きくげらげらと笑って見せました。




「男の優しさは強さの裏返し。」





現在でも持ち続ける私の持論です。





首の毛が3つに分かれて痙攣しています。

声をからして




「ヒャインヒャイン・・」




助けを求める目ですがってきます。

何もしてあげられません。

何も、全く、ゼロで。



ははははは。

抱きしめる以外何ができるのでしょうか。


しばらくすると落ち着きを取り戻し、





「あー、びっくりしたよ、お兄ちゃん。でももう平気。ね、あそぼあそぼ!」




遊びたくてたまらず、前足で私にせっついてくるのですが上手く身体を支えることができません。

ジャンプのような形を取るたびに前足が両側に開き、あごから地面にぶつかっていきます。

それでもそれでも必死になって遊びたがる。







あーーあーーあーーあーーあーー。
















MRIの結果の出る日。

麻呂と二人、電車で向かいました。












「妹尾さん、これね、仕方がないです。安楽死させましょう。」






あーー、あーーあーー、あーー、あーー、あああああ。







か・み・さ・ま・・・・・そこにいるんでしょ?
これみてるんでしょ?
いいたいことわかってるんでしょ?
まだうまれてからよんかげつだよ?
これでいーの?













帰りの電車の中、女子高生の二人組が


「うわー、かわいい!」


はしゃぎながらピンクのバッグから出ている麻呂の頭を撫でていました。






私は、笑うでもなく気に留めるでもなく、ただその光景を眺めていました。





             麻呂5


                       <つづく。辛いけど。>



該当の記事は見つかりませんでした。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://gekijuku.blog27.fc2.com/tb.php/1366-aba2997c