・・・されど役者的妹尾blog

太く拡げよう僕の細道   since.2006.4.14
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秋眠と…麻呂、その4




肩が痛い…とうとう後ろに手を回すことも出来なくなってしまいました。

アロンアルファで、肩の可動部を固着させてしまった感じ。

そうこうしているうちにヒジも痛くなってきて、今ではすっかり右手がしびれまくる状態です。

あまりにも不便なので…ってんで電気、針、マッサージ、なんやかんやと試してみましたが良くならない。

ぎゃーぎゃー言ってましたら合気道の兄弟子に教えてもらった、へんてこりんな技の整体に行ってみました。

藁にもすがる心境です。

そうしましたら相性が良かったのか、難か少し痛みが引きまして。



わーわー喜んで帰宅しましたら、猛烈な眠気が。

もう、何も出来ない眠気です。

晩飯もそこそこに布団に入りました。

なんと言っても眠気が強くて酒を飲まなかったほどです。

晩酌を自分の意思に関係なく自然に止めたのは、酒の味を覚えてからはなかったかも。

13時間後に目が覚めたのですが、それでも眠い。

秋眠暁を覚えず…。

身体に何科が起こって眠たい星人になってしまいました…。



秋眠


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セブン●レブンでおにぎりと、冷凍の担々麺を購入しました。

辛いものが食べたくて…だったのですが期待を裏切って大外れ。

ラー油を山ほどかけてみましたが全然美味しくない。

ま、所詮はコンビニ食ってコトですわ。

自分で作るのは無理、眠くて。



さてさて、麻呂の日記を載せておりますが、毎日思い出すだけで涙がぼろぼろと出てきます。

麻呂以外の、もっと昔に一緒だったワンコや猫のことも思いだしてぼろぼろ。

なんじゃこれ?

歳を重ねると涙腺が緩むとは聞いたことがありますが、緩むって言うよりも解放されている感じです。

蓋がない。

どこに探しに行けばいいのかしら…。


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<麻呂のお話 4>



先生が何度も眼鏡に手をやりながらゆっくりと口を開きました。






「あの、ですね・・・妹尾さん。・・・んーっと・・・」





睨み付けるような私の視線をかわすためにもう一度眼鏡に手をやって、





「・・・良くない状態です。状態、といいますか麻呂ちゃんの場合はちょっと特別で・・・・」





私は微動だにしません。


否、できませんでした。


あらゆるシミレーションで鎧のような心を準備したはずですが、どこかに


<俺の麻呂に限って・・・>








心を隠しながら次の言葉を目で催促します。




「・・・先天性の水頭症でした。数はいろいろ言われますが、5万頭に一頭とか・・・。残念ですが長くは持ちません。」






・・・・



#%$&○7##'-!













誰が何を喋っているのだろう。



俺のことか?


麻呂のことか?





麻呂6







・・・・・




そうだよ、俺のことだよ、麻呂のことだよ。







こんな事言われるの、想像したろ。

現実を受け止めろと、頭の中で使ったことの無い回路が動き始めます。


麻呂に伝えたくない、パニックを伴う鼓動が自分の身体の中だけで処理しようと駆けめぐっています。







「・・・そうですか。」






さらに睨み付けるように答えました。


睨み付けないと頭が揺れているようで、姿勢すら保てなく感じましたから。





「妹尾さん、先天性の水頭症というのはですね・・・・・・・・」





先生の説明が始まったがどのくらい聞けていたんだろう。

知っているよ。

その病気のことなら知っているよ。

ミニチュアダックスのような犬には多いんだろう?

調べたよ、昨日。






「・・・・・・・大変残念ですが・・・安楽死しかないと思います。」





最後の言葉だけはしっかりと耳に入ってきました。

と言うか、声が耳に入ってから日本語に変換して、次に意味が分かった。












私ごとで大変恐縮ですが。

私は自分の中に、<自殺> という観念を持ち合わせておりません。

そりゃ、

死にたいほど辛い、とか

もう、こんなのだったら死んだ方がマシ、

とかはありますが深いところではなく言葉としてのものです。

自殺する人のことをここでとやかく言うつもりはありませんが・・



とにかく自分の命を自分で切っちゃうことは、どう計算しても出てこない答えなんです。


この時に言われました 安楽死 と言う言葉もそう。














心の中で何かが弾けたのを感じました。





「ふざけるな。何の治療もなくいきなり死ねってか!自分、何言ーとんか分かっとるんか!」





どのくらいの怒気を孕んでいたかは分かりません。

が、確実に反発しました。





「まぁ、妹尾さん、落ち着いて下さい。」





私の気持ちを落ち着かせようとする、目の前の若いエリート医師が無性にむかついてきました。





「治療できないんです。このままだと麻呂ちゃんが苦しむだけなんです。既に脳が圧迫されて原形をとどめていない。外に外にと追いやられて頭蓋内に水が溜まっていて・・・」









血液が逆流しています。

ええい、くそっ。

言うな。

何も言うな。

俺の麻呂が、生まれてまだ5ヶ月しか経っていない麻呂が?

いうないうないうないうないうないうないうな・・・言うな。

そんなはずがない!










声が。

遠くの方から聞こえているようです。

医師は私に、



「私が勉強した東京大学の獣医の先生を紹介しますから。そこに行って納得できるようになさってください。紹介しますから、ね。」



整理の付かない私の気持ちを察して、優しく話しておりました。








混沌。

カオス。

・・・

ははは、否、シンプルか。















その夜、麻呂と話し合いました。





「先生はさ、ああ言ったね。どうする、麻呂。
ちょっとしんどいかもしれないけどさ、喧嘩してみる?水頭症と。
いやいや、難しいところだねー。
でもな、お兄ちゃんならちょっと頑張っちゃうかもなー。
だってもっともっと麻呂と遊んでいたいからさ。
・・・無理はしなくていいんだよ。
麻呂にその気があれば、さ。」





はらはらと崩れ落ちてしまいそうな壊れ物をそっと胸に抱き、ニコニコと笑いながら話しかけました。

麻呂は不思議そうな顔をして少し首をかしげました。

私の胸からはい出て登ってきます。

鼻が私の顎の辺りに触れたと思ったら、ぺろぺろと舐め始めました。


ニコニコと笑いながら話しかけていたつもりでしたが、涙が溢れ落ちていました・・・

その涙を麻呂がゆっくりと。





「お兄ちゃん、泣かないでよ。
僕も悲しくなるよ。
僕はね、もっといっぱいフリスビーやボールで遊びたい。
ご飯ももっといっぱい食べたい。
それにお兄ちゃんと一緒ずーっと生きていきたい。
だから僕はケンカするよ!」








喉から声が漏れました。

どうしても抑えられませんでした。




この子の頭がおかしいって?

良すぎるくらいじゃないか。

脳が・・・何だって?

ちゃんと俺を理解しているし、今でもトイレを覚えようと一生懸命じゃないか・














東大の獣医さんに診せに行きます。

もっと詳しい検査とあらゆる可能性を模索するために。

具体的に言いますと、もう一度全身麻酔をかけてあらゆる情報を麻呂の身体から引きずり出す、ということです。

そして何をどうするのかを決める。







麻呂が。

麻呂が自分で私に言ったんです。

ケンカするって。




全面的に彼の言葉と勇気を信じることにしました。



二人三脚で戦いが始まります。

すぐに予約を取り万全の態勢と気持ちで臨みます。





「明日からはちょっときついぞー。遊ばないで早く寝ろよ、相棒。」




手を伸ばせば届くところに麻呂を寝かし付け、これから始まるであろう事を考えながら休みました。

                     

麻呂5

(今見ると…髪が長くてキショイ)


                      


                          <つづく>


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1 Comments

へから夫人 says..."確率の問題じゃなく"
耳から入ってきた音が、理解する言語に翻訳されるのに、少し時間がかかるって・・・私も経験ありますね。
博多弁が耳から入ってきて、私の中で北九州弁に翻訳されて理解するのに2秒くらい返事が遅れたことがあります。

麻呂ちゃんの話、今になって思うと、こういうのって、確率の問題じゃないんですよね。
「5万分の一だから、とっても運が悪かった、仕方ないじゃん」って話でも
「100分の一だから、結構よくあることだから」って、
それで、納得して消化できるって話でもない。
確率の問題でなくて、本当にしんどい経験であることには何ら変わりはない訳ですね。

精一杯出来る限りのことをしてあげる。
結局、それしかないんだろうな・・・。

そんな事を今更になって思った私です。
2014.10.22 17:21 | URL | #no8j9Kzg [edit]

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