・・・されど役者的妹尾blog

太く拡げよう僕の細道   since.2006.4.14
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やばかった。




街中の犬猫にやたら目が行ってしまいます。

そのたびににやにやしてしまう自分がおぞましいですわ。

でもま、嫌な気分を一瞬で吹き飛ばしてくれますしね!

あああ、ワンコ飼いたいなー…。



ちょい前に書きましたが、麻呂のお墓にいったとき…いつもそこには溢れている光景ですが愛犬や愛猫を無くしてしまった方が多くいらっしゃってて。

目を真っ赤にしている人も、懐かしそうに写真を手にしている人も、私たちのように命日にお参りしているっぽい人も家族連れや個人や様々ですが胸の内が同じ思いってのが集まっています。

でね、多く見るのが新しいパートナーを抱いている人。

そうらしいんですよね、亡くしてしまった悲しみは新しい仲間でしか補えないって言われたことがあります。

ってことは私の場合はそう思えるのに12年もかかってしまったことになりますが。

さてさて、どうなることでしょう。





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先ほど外出先での出来事。

駅の瀬カレーたーに乗っておりました。

人はたくさん。

関東地方では、エスカレーターの左側に普通の方が立っています。

右側は急いでいる人のために追い越し車線?として空けておきます。

関西では逆ですね。

私、ちょっと急いでおりましたので右側をとんとん登っておりました。

するとおじさんが右側にどっしり塞いてくれてまして。

肩をポンと叩き、



「すいません、通してください、右側は人が通りますよ!」



って小声で言いました。

そうしましたら振り返りざまに




「ああ? なんだとぉ!」


って。

多分同じ歳くらい。


「はあ?」


って聞き返しましたら、いきなり右手で私の胸ぐらを掴もうとしてきました。

咄嗟に、本当に咄嗟に左手が自動的に動きました。

道場の訓練の通りに。

手を落とし、ツバメ返しで手刀を喉に…押しつけました(殴ってないす)

その後、本来なら地面にたたき落とすのですがそうも出来ず、



「あんまりハネるなよ。普通にどきゃあいいの。それとも上で殴りあいたいか?」



喉に手を当ててのけぞらしてますのし、その次の動作には簡単に入れる状態です。

が、全くけんかなんてするつもりもないので大人しく終わりたいと願ってました。

動いてるエスカレータの上。

…。

すっかり大人しくなってくれましたので、その後二、三言葉を交わしただけで普通に終わりました。

ちょっとドキドキしたけれど、自分でもびっくりするくらい身体が勝手に動いたぞ、という話し。


悟空



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<へから夫人さん!>

そ。

あれは弟です。

頑丈なボディを持っています。






<麻呂のお話 3>*************************************************************




「いやー、麻呂ちゃん、久しぶり!今日は一体どうしたんですか?」


麻呂のことを覚えてくれている東大出身の若い先生が、麻呂を撫でつけながら私に問いかけてきました。

私は夕べあったことをできるだけ細かく詳細に話しました。



「うんうん・・・」


頭をフル回転させて聞いているようです。

が、私は先生の先ほどまでの笑顔に少し変化があったことを見逃しませんでした。

聞き手に大きなショックを与えてはならない、防御的な笑み。

平静を装わせようとする笑み。

思考を探られまいとする笑み。


どれにしても良いものではありません。

過去に経験したことのない嫌な電流が私の身体を突き抜けます。



「先生、遠回しなものは一切いりません。単刀直入におっしゃってください。どうなっているんですか?」



どのくらいの間かは覚えていませんが、いわゆるしばらくの沈黙の後、意を決したようにその若い先生は話し始めました。



「妹尾さん、とにかくCTスキャンを撮らせて下さい。でないと今の状態ではっきりした診断を下すのは難しい。とにかくCTを。」




とんでもなく嫌なことはほぼ確定。

だけど軽々に言えないから確認させてくれ、とそんな風に聞こえました。


断る理由がありません。

わたしも早く詳しいことを聞いて対応を考えたかった。

焦る気持ちでの返事でしたがそれはそれで実は大きな問題がありました。



「妹尾さん、犬って動くんです。CTを撮るときに動くのはよくない。ですから麻酔です。全身に・・・」


生後数ヶ月の子犬に全身麻酔。

大きなリスクがあるそうです。

成犬じゃないだけでなく、健康でもない。

ものすごい負担がかかる。

そのまま戻ってこない可能性があることを考慮して判断しろと。

しかも時間はない、急ぎ答えを出さなければならない。



・・・・


麻呂の目を見て問いかけます。



「うん、お兄ちゃん、僕は大丈夫だよ。先生の言うとおりにしようよ。」









その日の内に麻酔をかけてのCTスキャンをやりました。



「翌日まで様子を見て下さい。午後になっても起きない場合は連絡を下さい。」



まんじりともしない。


ぐったりした麻呂を抱いて家路につきました。


私が考えられること・・・


麻酔から無事に目覚めて欲しい。

でもそれは治療が終わり、何らかの病理が治ったわけではない。

麻酔から目覚めても出てくる答えは多分良くない。

一歩一歩ブラックホールに近づいているだけ。

明るい材料がどこにもない。

体験したことのない環境です。



闇の中をただ歩いている、そんな足取りでした。





麻呂に意識はなくても、信頼されている私がへこむわけにはいきません。

全開バリバリ、負のオーラを消して頑張ります。



「麻呂、大丈夫だからな、明日になればまたすぐに遊べるからな、何も心配するなよ、え、してないって?ギャハハハ、さすがだねー、麻呂は。」



夜中じゅう膝の上に抱いていました。

バカなことを話しかけながら。

安心感を与えたい一心です。






「何があっても、何が起こっても麻呂の味方。

心を乱さない、笑顔だけを見せてやる。」




この時に誓ったことを私は何度も思い返すことになります。











翌日、てけてけてけ・・・という聞き慣れた足音で目が覚めました。

親友がそこら中を走り回っています。

私の不安を吹き飛ばすような元気な姿です。




「おはよ。」




愛おしさで自分が壊れそうになります。







午後、麻呂を抱いて又同じ道を歩いておりました。

最悪であろう答えを聞くために。



<つづく>

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