京都から婿入り
朝からね、愚突いた天気の中出かけてきましたさ。
映画のリハーサル。
先日から始まっているのですが、毎日ね、監督とあーでもないこーでもないと侃々諤々、いろいろ話し合い(一方的な質問攻め)ながらどんどん出来上がっていきます。
ものすごくきっちりリハーサルをして下さるので大助かりです。
言うなれば、舞台の稽古みたいな感じ。
昔々、まだまだ世の中がバブって元気だった頃、ときどきここまできっちりテストをしてくれるテレビドラマがありましたが、最近では珍しいのではないでしょうか。
制作サイドの、この作品に対する愛情、思い入れ等々がひしひしと伝わってきます。
プロデューサーと呼ばれる偉い人もちゃんと顔を出して、にこやかに挨拶をしていってくれます。
本当にね、毛穴が開くような思い入れでガンバッておるわけでございますが・・・。
当然、そのような日はとても疲れて、そのままバタンキューと眠ってしまうほど脱力感に襲われるのですが、今日はチト事情が違います。
そ。
我が家に、古い友人が婿入りに来る日でございます。
ぶゎいく。
ハヤブサ(GSX1300R)が盗まれてからどのくらいの月日が経ったでしょう・・・。
その間、XR600やら、250のスクーターやら、何じゃかんじゃと誤魔化しながら乗ってはいましたが、私が求めるものとは全く違うバイクでございました。
どれもこれも小さくてかなわん。
どっしりと、重量級で圧倒的な加速力があって。
でもね、いろんな事を加味して、私もいい歳こいたオッサンだしいろんな意味で諦めねばならんのねーなんて思っていたのですよ。
でも矢先に、運命的な出会いを運命的な人からさせて頂いたのでありんす。
めちゃめちゃ最近の事。
ノープランで何気なく聞いていた話しがあれよあれよという間に気持ちがたかぶってしまって。
昨日まで何も思っていなかったし意識もした事がなかったのに、ホンの小さなきっかけで頭の中から離れなくなってしまう・・・・
そう、これは、濃い・・・否、
濃い恋ね!
うまく言えてなくてもいい。
そんなの関係ねえ、古くてもいい。
その恋が成就するのでありんす!
妄想モード全開!!
やべえ、俺、上がりきったテンションが下がる気配がない。
興奮して前夜あまり眠れませんでした。
うん、こういうの大切。
小学生の心意気で行っとこう。
起床して朝一、リハに出かけるときヘルメットを携え、台本と筆記用具と共に小脇に抱きかかえます。
祝日の電車はそれほど混んではいません。
落ち着こうとしながら台本に神経を集中させます。
時間を短く感じようとする苦肉の策でもあります。
現場に到着。
リハ開始・・・・あっ、終了。
遠方からやってきた婿殿を、某業者さんから受けとる時間まであと4時間あります。
なにする?
何もする事がない。
ありそうだけど思いつかない。
お腹が減ってるのも忘れてる。
行っちゃいましょうよ、ってことで電車に乗りましてゴトンゴトン・・・。
もっと時間をかけて付いて欲しかったのに3時間30分前に到着。
アホの大人みたいに思われるのがイヤだから何の興味もない近所を3時間ぶらぶら。
コーヒー飲んだりコーヒー飲んだり、コーヒー飲んだりしながら無理矢理時間潰して。
ほー・・・ほけきょ・・・
はい、もうこれ以上焦らされたらオジサン仕舞いにゃ怒るよ!っていう我慢の限界でのご対面。
♪(ターミネーターで)どどん、どんどん、ど・どん!
きゃーーー、会いたかったのよー!
頬ずり頬ずり!
清めの塩も忘れずにっ。
「さ、さ、こっちに来てあったまんなさい、もう何も心配はいらないからね、寂しかったでしょう?
今日からは私の事をお父さんと呼んでいいんですよ、はい、言ってごらん・・・そ! それでいいの!」
的な一人芝居を心でくり返しながら、セルボタンをキュイっと。
ちょっとこの子の癖に馴染みがないから、コツを掴むまでもう少しかかりそうだけど何とかエンジンに火が入りまして。
そこそこの暖気で良しとしてギヤをローに叩き込みます。
「がっコン!」
という、当時の川崎重工を偲ばせるダイナミックな感触に痛く満足。
クラッチを繋ぐとするすると巨体を震わせながら動き出しました。
もうね、後はルルルララ・・・!
魔法使いが久しぶりにほうきに乗ったのね!
「夢の中へ、夢の中へ、行ってみたいと思いませんかぁ、ふふっふぅ!」
なかなか年季の入ったお婿さんですが、前のご主人様が愛でて愛でて、閨を共にするくらい慈しんで育てられていますので元気そのもの!
きゃんきゃんヨダレとか汁とか、いろんなものを垂れ流しながら帰って来たという、そんなお話しです。
ご存知、元祖320kmメーター!
京都からの長旅、ごくろうさまでした。
さ、名前を付けてあげなきゃ!
この子の産みのの親御さま、後はどうぞ任してくだせぇ・・・ほんに、有難うごぜぇましただ・・・!